16性格-認知機能

「16personalities」「MBTI」の4つの要因と「ユング心理学の8つの認知機能」

2023年2月14日

MBTI(Myers-Briggs Type Indicator)は16の性格で分けられますが、16のタイプそれぞれが4つの要因を持ってます

それらアルファベットのイニシャルを4つ並べることで、

ENTJ・INTJ・ESFJ・ISFJ…etc

などの「MBTI」「16personalities」の文字配列となります。

よく「16personalities」「MBTI解説」などのサイトを見ると「認知機能がどうとか」「外向的直感(Ne)は~」とか書いてあることがありますよね?

これはユング心理学の8つの認知機能というやつで、MBTI(ブリックス・マイヤーズ)の元となったものです。

つまりユング心理学とMBTI(16個の性格)は厳密にいうと別物ですが、

混ぜて説明した方がわかりやすいので、例えばINTJの性格を説明するときは、

認知機能は「第一機能 内向的直感(Ni)補助機能 外向的思考(Te)代替機能 内向的感情(Fi)劣等機能 外向的感覚(Se)」であるというように解説されるのです。

また厳密に言うと、人の性格を16個の性格に分類する性格診断サイトである「16personalities」と公式である「MBTI」も別物です。

どちらかというとこのサイトは「16personalities」と「ユング心理学」をベースにしています。

「16personalities」「MBTI」の4つの要因

MBTIは下記のどちらかが優位かの2文法で、4つを組み合わせることにより性格が決まります。

・外部とのコミュニケーションや行動の傾向
外向(E)内向(I)
・外部からの情報収集の仕方
感覚(S)、直感(N)
・情報をもとにどんな判断をするのか
思考(T)感情(F)
・問題解決や決断するための行動
判断(J)知覚(P)

2分法はどちらかが良い悪いといったものではなくて、単なる優位性を示しているようなものです。

このMBTIにおける優位性において、よく出されるわかりやすい例が「右利き左利きのようなものと考えればよい」です

左利きの人が右手で文字を書くのが難しいのと同じで、

どちらを優位に発達させてきたかによります。

とはいえ練習すればどちらも柔軟に使いこなすことができるようになるといわれています。

またマイヤーズによると、例えば

「外向的」と判断されたとしても、必ずしも外向的のような性格をしているわけではなく優位性を示しているだけで

絶対的な診断ではないことを覚えておきましょう。

MBTIも人間が作ったものなので絶対はありません。一歩引いた目線で参考にしたり楽しむことが大切です。

内向型「I」か外向型「E」

他者との関わり方が内向的なのか外向的なのかです。

内向型「I」

内向型「I」は人と会うよりも一人でいる時間を重視する

外向型「E」

外向型「E」は外界の刺激を求めたり、人と会ってストレス発散するタイプ

前者が休日に人と会うよりも一人の時間でなにかをすることが好きなのに対して、後者は人とのかかわりあいの中で何かをするのが好きです。

感覚型「S」か直観型「N」

知覚機能ともいわれます。

情報を収集し処理する方法が感覚なのか直観なのかです。

ポイント

感覚型「S」は感覚的に周囲から情報収集し、実際に経験したり、5感で感じることを楽しみます。経験を重視します

直感型「N」

直感型「N」は実際に経験するよりも自分の直感的に解釈します。自分のひらめきを重視します、そして常に未来志向型です。

前者が事実重視なのに対して後者は理論重視です。

思考型「T」か感情型「F」

判断すること・意思決定の方法が思考型か感情型のどちらかです。

思考型「T」

思考型「T」は客観的に思考して結論を先に導き出して、逆算的に行動します。戦略的であり頑固な特徴があります。

感情型「F」

感情型「F」は感情によって行動します。共感能力があり、自分の決断が相手の立場にどのような影響を与えるかを考慮して意思決定します。

前者が客観的に正しいか間違っているかのマルかバツかで意思決定するのに対し、後者は相手の感情に注目し意思決定します。

判断型「J」か知覚型「P」

ものごとに対する態度や計画、行動が判断型「J」か知覚型「P」のどちらかです。

判断型「J」

判断型「J」はあらかじめゴールから逆算して計画を立ててその計画通りに任務を遂行しようとします。その計画は準備段階やどのように休むかまでに及びます。途中で計画の変更をすることは嫌います

知覚型「P」

知覚型「P」は新しい情報にも臨機応変に計画変更や路線変更ができます。とはいえ観察者になりやすく、新しい情報をどんどん集めていつまでも行動できない傾向にあります。

前者は一度下した決断は撤回せず、後者は決断がなかなかできないという傾向になりがちです。

【ユング心理学】8種類の各機能

MBTIの認知機能
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ユングによると人は「外向か、内向か」そして「思考・直感・感覚・感情」の8つの認知機能が存在するといわれています。

・幼少期よりその人の人格までも作り上げるメインの認知機能
・それを補助する形で使われる補助機能
・時に補助の代わりに使われる代替え機能
・そしてメインの認知機能とは対になる存在の劣等機能

この4つを軸として性格が作り上げられます

主機能のメインを補助するように「補助機能」「代替え機能」が使われます。

そして、第四の機能は劣等機能と呼ばれメインの第一機能とは対をなす存在です。

通称「影」とも呼ばれます。

主機能 (第一機能)
補助機能(第二機能)
代替機能(第三機能)
劣等機能(第四機能)

メインの機能と言われる第一機能はほかの3つの機能よりも高度に発達していて、幼いころから最も使われた機能です。

いわばその人の人格の中心となるメインの機能であり、その機能に頼り発達させて人生を歩んできました。

例えばENTJのメイン機能はTeの外向的思考で、ENTJはこの外向的思考によりエネルギッシュで優れた対人スキルを使ってリーダーシップといった能力を向上させました。

第二機能は補助機能といわれるように、第一機能の補助をするように使われる認知機能です。多くのひとはメインを中心に補助機能を作動させています。

第三の機能は代替機能で、これは第二機能がうまく作動しない場合にとって代わるように機能します。ある特定のシーンになるとこの第三の機能が表に出てくることもあります。

第四機能は劣等機能と呼ばれ、その人が最も未発達な認知機能です。
メインとは対になる機能で、例えばメインが思考の場合劣等機能が感情になります。すると「合理的に物事を考えられますが、その思考の中に人の感情は含まれない」よって「人の感情が理解しにくい」「知らずに人を傷つけている」といった特徴が出始めます。
これが劣等機能です。

そして、認知機能はバランスよくどれも同じくらい発達すればするほど、人格者と呼ばれる誰もが尊敬するようなバランスの取れた性格へと近づくことができます。

自分の認知機能を知ることは「生きやすくなる秘訣」でもある

そして、これら自分のMBTIが持っている認知機能を知ることは、自分と対話するツールにもなりえます。

自分の認知機能を知らず、自分と対話ができていない人ほど、自分にはない「内向的部分、外向的部分」に憧れ、間違った自分を演出してしまうことにもなりかねません。

例えば、内向的であるのに外向的に振舞うことは右利きの人が左利きでご飯を食べるようなもので、傍から見ると非常に不自然でぎこちなく見え、身体的にも心にも負担がかかります。

反対に外向的な人が自分の考えを貫くクールな内向的人間に憧れ、内向的に振舞おうと自分の考えを確立させようと一人で悩みこんだ挙句うつ病になってしまうところまで考えつめてしまうこともあります。

自分の認知機能を知るということは、そういった違和感のある振る舞いをして理想の自分を追い求めようとするよりも、

自分の長所と短所と向き合い自分を知り、認め、さらに劣等機能を鍛えていくことが「人として幸せになる生きやすくなる秘訣」でもあります。

さらに自分を知ることでいままで嫌いだった自分の性格に誇りすら持てるようになることも多いです。

MBTI別16種類の認知機能一覧

MBTI認知機能
INTJNi-Te-Fi-Se
第一機能 内向的直感(Ni)
補助機能 外向的思考(Te)
代替機能 内向的感情(Fi)
劣等機能 外向的感覚(Se)
ENTJTe-Ni-Se-Fi
第一機能 外向的思考(Te)
補助機能 内向的直感(Ni)
代替機能 外向的感覚(Se)
劣等機能 内向的感情(Fi)
ESTJTe-Si-Ne-Fi
第一機能 外向的思考(Te)
補助機能 内向的感覚(Si)
代替機能 外向的直感(Ne)
劣等機能 内向的感情(Fi)
ISTJSi-Te-Fi-Ne
第一機能 内向的感覚(Si)
補助機能 外向的思考(Te)
代替機能 内向的感情(Fi)
劣等機能 外向的直感(Ne)
INTPTi-Ne-Si-Fe
第一機能 内向的思考(Ti)
補助機能 外向的直感(Ne)
代替機能 内向的感覚(Si)
劣等機能 外向的感情(Fe)
ESTPSe-Ti-Fe-Ni
第一機能 外向的感覚(Se)
補助機能 内向的思考(Ti)
代替機能 外向的感情(Fe)
劣等機能 内向的直感(Ni)
ESFPSe-Fi-Te-Ni
第一機能 外向的感覚(Se)
補助機能 内向的感情(Fi)
代替機能 外向的思考(Te)
劣等機能 内向的直感(Ni)
ENTPNe-Ti-Fe-Si
第一機能 外向的直感(Ne)
補助機能 内向的思考(Ti)
代替機能 外向的感情(Fe)
劣等機能 内向的感覚(Si)
ENFPNe-Fi-Te-Si
第一機能 外向的直感(Ne)
補助機能 内向的感情(Fi)
代替機能 外向的思考(Te)
劣等機能 内向的感覚(Si)
ISTPTi-Se-Ni-Fe
第一機能 内向的思考(Ti)
補助機能 外向的感覚(Se)
代替機能 内向的直感(Ni)
劣等機能 外向的感情(Fe)
ISFPFi-Se-Ni-Te
第一機能 内向的感情(Fi)
補助機能 外向的感覚(Se)
代替機能 内向的直感(Ni)
劣等機能 外向的思考(Te)
INFPFi-Ne-Si-Te
第一機能 内向的感情(Fi)
補助機能 外向的直感(Ne)
代替機能 内向的感覚(Si)
劣等機能 外向的思考(Te)
ESFJFe-Si-Ne-Ti
第一機能 外向的感情(Fe)
補助機能 内向的感覚(Si)
代替機能 外向的直感(Ne)
劣等機能 内向的思考(Ti)
ENFJFe-Ni-Se-Ti
第一機能 外向的感情(Fe)
補助機能 内向的直感(Ni)
代替機能 外向的感覚(Se)
劣等機能 内向的思考(Ti)
ISFJSi-Fe-Ti-Ne
第一機能 内向的感覚(Si)
補助機能 外向的感情(Fe)
代替機能 内向的思考(Ti)
劣等機能 外向的直感(Ne)
INFJNi-Fe-Ti-Se
第一機能 内向的直感(Ni)
補助機能 外向的感情(Fe)
代替機能 内向的思考(Ti)
劣等機能 外向的感覚(Se)

【ユング心理学】各認知機能の解説

外向的思考(Te)客観的視点を持つリーダー
内向的思考(Ti)思考で本質を追求し続ける人
外向的直感(Ne)1知って10を生み出す人
内向的直感(Ni)過去・現状から「未来」を予測する人
外向的感覚(Se)瞬間を生きる人
内向的感覚(Si)経験から学ぶ人
外向的感情(Fe)感情表現豊かな人
内向的感情(Fi)無表情だが心の中では感情豊かな人

思考

外向的思考(Te)

外に向けられる思考で、複雑な事象をひもとき、合理的な判断能力を有します。

プレゼンテーションがうまく、人にツールを使って何かを説明することが得意です。

ルールを把握し戦略的に思考し、他者に指示を出す立場に立ちたいと考えます。

優秀な認知機能ですが、しかし他者の気持ちも自分の気持ちにも愚鈍です。

内向的思考(Ti)

自分の意識の内面に注意を向け、思考します。

自分の中で判断の基準を築き上げ、それを判断基準とし「仮説」を考え続けます。

常に仮説を立て、これは間違っているかどうかを推論し続けます。

そのため言動と行動が不一致で会った場合、Tiにとっては矛盾が手に取るようにわかります。

内面思考なので納得できない事象にぶつかったときに、自分の頭の中で整理整頓をしようとします。

直感

外向的直感(Ne)

ひらめきや創造性をつかさどる機能です。

遊び好きだったり、刺激が好きで、新しいものに興味が移りやすいです。

抽象的な考えを膨らませて、それを言葉にすることができます。

内向的直感(Ni)

一見複雑に絡まった事象でも、裏側まで見通せる力があります。

複雑な事情は言葉で分析するよりもイメージや創造性でなんなく解決します。

そのため無意識のうちに次に何をすればいいかわかります

しかし、その複雑な考えを相手にわかりやすく伝えることは難しいかもしれません。

感覚

外向的感覚(Se)

雰囲気を5感で感じて適切な行動をとることができます。

外部から様々な情報を受け取ろうとします。空気を読むため人間関係を円滑に運ぶことができます。

実際に行動して感じて快感を得るので、実際に運動神経が良いことが多いです。

5感を重要視するのでモノを買うときに機能よりも、色や見た目を重視しがちです。

内向的感覚(Si)

現在受けた事象は過去に経験した記憶に結びつきそれを活用することができます。

Siは体の内部の情報を活用するので、痛みに敏感で、自分の体の変化に気づきやすいです。

そのため同じ過ちは繰り返さないことが多く、過去に経験したミスを繰り返さないようにリスク回避ができます。

これらは生物が生き残るために発達した認知機能とよく言われます。

感情

外向的感情(Fe)

自分の外側「他人」を理解しようとする認知機能です。

相手に対して感じる気持ちによって判断し行動を決断します。

社交的で相手と親密な関係を築くことができます。

面倒見がよく自分自身のことを他人に打ち明け、相手にもこちらに打ち明けてもらうことを望みます。

行事ごとには全員が参加して和に入るべきだと考えています。

時に自分たちのグループの和を尊重し、他者に対して道理が通らない行動に出ることもあります。

内向的感情(Fi)

自分の内面の感情に意識を置きます。

他人の行動や、言葉、声、態度といった、細かな印象を把握することができます。

TVで見た凄惨なニュースなどを見ると、他人の悲しみを自分の悲しみのように感じます。

他人に働きかけることは苦手な分類に入ります。

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